世界遺産NEWS 15/12/20:スター・ウォーズのロケ地となった世界遺産
いよいよスター・ウォーズ・シリーズのエピソード7にあたる『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が公開されました。
私はさっそく公開初日の17日にタイの映画館に見に行ってきました。
これまですべての作品を映画館で見ていますが、エピソード7は1983年に公開されたエピソード6『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還(ジェダイの復讐)』の直接の続編ということで、本当に懐かしかったです。
30年以上を経ているわけですが、昔を思い出させる演出がてんこ盛りでした。
実はこのシリーズ、何件かの世界遺産がロケ地として使われているのをご存知ですか?
『フォースの覚醒』でも特に重要な場所で登場します。
というわけで、今回はロケ地として使われた世界遺産を一気に紹介しましょう。
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まずはイタリアの世界遺産「カゼルタの18世紀の王宮と公園、ヴァンヴィテッリの水道橋とサン・レウチョ邸宅群」です。
こちらはナポリ王カルロ7世が18世紀に建設した王宮で、フランスのヴェルサイユ宮殿を目標としたバロック様式の華麗な姿から「イタリアのヴェルサイユ」の異名を誇ります。
映画ではエピソード1『スター・ウォーズ/ファントム・メナス』とエピソード2『スター・ウォーズ/クローンの攻撃』で、惑星ナブーの女王アミダラの宮殿として登場します。
なお、エピソード2でのアナキンとアミダラの感動的なキスシーンはイタリア・コモ湖のバルビアネッロ邸で撮影されたものですが、こちらは世界遺産ではありません。
続いて中国の「中国南方カルスト」の構成資産のひとつである桂林風景区です。
桂林は大地からボコボコと突き出すタワーカルストで有名で、漓江下りと呼ばれる船旅では「これぞ中国」という山水風景が楽しめます。
映画ではエピソード3『スター・ウォーズ/シスの復讐』でチューバッカの故郷キャッシークの背景画に登場します。
地球の景色とは思えないそのスケール、さすが桂林です。
そしてイタリアの「エトナ山」。
標高3,323mを誇るシチリア島の火山で、世界でもっとも活発な成層火山と呼ばれています。
現在も活動を続けていますが、比較的落ち着いているため火口付近を見学することもできたりします。
こちらは『スター・ウォーズ/シスの復讐』に登場した、火山で覆われた衛星ムスタファ―の背景として使用されました。
アナキンとオビ=ワンの勝負はシリーズ屈指の名シーンでしたね。
アナキンはこのままダーク・サイドに落ちてダース・ベイダーとなるわけですが、一方でアミダラはルークとレイアを産み落とします。
生後まもないレイアが秘密裏に送られた惑星がオルデランです。
オルデランはレイアの故郷となったわけですが、エピソード4でデス・スターに破壊されてしまいます。
このオルデランのロケ地がスイスのグリンデルヴァルトという村で、こちらは世界遺産「スイス・アルプス ユングフラウ-アレッチ」の玄関口となっています。
遠景の美しい雪山はアルプス山脈だったのですね。
そしてエピソード4『スター・ウォーズ/新たなる希望』にはグアテマラの世界遺産「ティカル国立公園」が登場します。
こちらはジャングルから突き出すピラミッド群が幻想的なマヤ遺跡で、ぼくがもっとも感動した世界遺産のひとつでもあります。
右の写真はIV号神殿と呼ばれるピラミッドから眺めたジャングルの様子です。
左側に見えるのがI号神殿とII号神殿で、その右にIII号神殿がたたずんでいます。
映画では惑星ヤヴィンとして登場し、ここに帝国軍のデス・スターに対抗するための反乱軍の秘密基地が設置されていました。
続いてアメリカの「レッドウッド国立公園及び州立公園」です。
この世界遺産はレッドウッドという樹高100mを超える世界でもっとも高い木が生い茂る森林で、エピソード6『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』で森の衛星エンドアのロケ地として使用されました。
帝国はエピソード4で破壊されたデス・スターの再建を開始し、エンドアからデス・スターを守るシールドを照射していました。
反乱軍はエンドアに住むイウォーク族と共闘し、シールド発生装置を破壊したのち帝国軍に最後の戦いを挑みます。
そして最後にアイルランドの「スケリッグ・マイケル」です。
スケリッグ・マイケルはアイルランド島の西16kmの沖合に浮かぶ孤島で、急峻な岩山に石を積み上げて築いた不思議な住居跡が点在しています。
キリスト教の修道士たちがここに住んで修行を行ったと伝えられていますが、文字通りの孤島なので厳しい生活だったことが想像されます。
こちらは公開中の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に登場しますが、惑星名やシーンは秘密です。
きわめて印象的なシーンですのでひと目でわかると思いますよ。
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『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を見る前にシリーズ全作を見直そうと思っている方、ぜひ世界遺産にも注目してみてください。