世界遺産写真館14.オフリド地域の自然遺産及び文化遺産1(アルバニア/北マケドニア)
バルカン半島――
ヨーロッパ・アジア・アフリカをつなぐ要衝で、ヨーロッパの中でも西欧・中欧・南欧・東欧のヘソとして大国の綱引きの真っただ中にあって「ヨーロッパの火薬庫」なんて呼ばれた時代もありました。
その文化の多様性は、たとえばかつてバルカン半島の多くを占めたユーゴスラビアに対する「7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字、1つの国家」なんていう言葉にも表れています。
ユーゴスラビアは1991年以降の紛争の結果、文字通り6つの共和国、すなわちクロアチア、スロベニア、北マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロに分裂し、コソボもほぼ独立状態にあります。
バルカン半島はこうしたさまざまな文化が融合した多彩な文化と、バルカン山脈やアドリア海を中心としたと美しい自然に恵まれているわけですが、紛争の歴史もあって日本人にはあまり馴染みがない地域でもありました。
ですがこの地域、海外旅行にはぜひともオススメしたい場所でもあったりします。
クロアチアの世界遺産「ドゥブロヴニク旧市街」や「プリトヴィツェ湖群国立公園」はだいぶ有名になってきました。
これらに続く絶景世界遺産としてオススメしたいのがモンテネグロの「コトルの自然と文化-歴史地域」とアルバニア/北マケドニアの「オフリド地域の自然遺産及び文化遺産」です。
コトルについては「世界遺産写真館6.コトルの自然と文化-歴史地域(モンテネグロ)」で紹介しています。
さて、このオフリド湖、「ヨーロッパ最古の湖」なんて言われています。
普通、湖は川から運ばれてくる土砂で少しずつ埋め立てられて数千~数万年で消滅してしまうものなのですが、地殻変動などの特殊な条件によって長期間その姿を留めている湖が存在します。
これを「古代湖」と呼ぶのですが、世界遺産ではマラウイの「マラウイ湖国立公園」やロシアの「バイカル湖」、世界遺産ではありませんが日本の琵琶湖も古代湖です。
オフリド湖も古代湖で成立は200万~300万年前に遡ると見られており、長い歴史の中で多くの固有種を育んできました。
また、バルカン山脈の断崖の中にたたずむという立地条件や、カルスト台地によって浄化された地下水を水源としているといった地質的な条件のため、すばらしい景観でも知られています。
こうした文化・自然両面が評価されて数少ない複合遺産として世界遺産リストに登録されているわけですが、2回にわたってこのアルバニアと北マケドニアの世界遺産「オフリド地域の自然遺産及び文化遺産」の写真を紹介します。
今回は主にオフリドの街並みと港、次回で聖ヨヴァン・カネオ聖堂と聖ナウム修道院の写真を掲載していきます。
■世界遺産データ
オフリド地域の自然遺産及び文化遺産
Natural and Cultural Heritage of the Ohrid region
アルバニア/北マケドニア
1979年、1980年、2009年、複合遺産(i)(iii)(iv)(vii)
[著作権について]
- 写真の無断転載を禁じます(まとめサイトへの写真掲載もお断りします)
- 写真にはすべて複数の透かしを入れております
- 無断使用については有力写真スタジオの数倍額を請求いたします
* * *
* * *
* * *