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世界遺産NEWS 18/12/18：エジプト・サッカーラで神官の墓を発見
エジプトの首都カイロ郊外に広がるサッカーラで約4,400年前のものと見られる新しい墓が発見されました。
墓は地下5mほどにありますが未盗掘で、色鮮やかな内部が公開されました。
■Untouched 4,400-year-old tomb discovered at Saqqara, Egypt（NATIONAL GEOGRAPHIC。英語）
今回はこのニュースをお伝えします。
＊ ＊ ＊
サッカーラはエジプト古王国時代（紀元前27～22世紀前後）に数多くの王墓や貴族の墓が築かれたネクロポリスです。
ネクロポリスは「死者の町」を意味し、古代エジプトでは墓や葬祭殿（死者を祀る廟）といった死に関する施設はナイル川西岸のネクロポリスに築かれました。
有名なテーベの「王家の谷」も西岸のネクロポリスのひとつです。
サッカーラでもっとも知られている建物がエジプト初のピラミッドであるジェセル王の階段ピラミッドです。
紀元前2700～2600年ほどに築かれたピラミッドで、地下に玄室（棺を収める墓室）を持つ墓となっており、周囲に神殿や葬祭殿・庭等を伴うピラミッド・コンプレックスになっています。
サッカーラには他にもウナス王、メルエンラー１世、ペピ１世・２世、ジェドカラー王といった王や貴族のピラミッドやマスタバ（レンガを直方体に積み上げた墓）が発掘されています。
そしてエジプト考古学省は12中旬、サッカーラで新たな墓を発掘したことを発表しました。
サッカーラでは４月にスタートした発掘プロジェクトによる発見が続いていますが、この墓は地下5mほどに埋まっていたもので11月に発見されていました。
しかしながら扉が封印されていたため時間を要し、12月に入ってようやく扉が開かれました。
壁面は多くの石像とレリーフ、ヒエログリフ（神聖文字）で覆われており、塗装された色も失われていませんでした。
ヒエログリフによると墓の持ち主はワフティーという名前の神官で、古王国時代・第５王朝・第３代ファラオ、ネフェリルカラーに仕えていたと見られています。
レリーフにはワフティー本人や家族のほか、狩猟や航海・儀式・陶器や葬具製造の様子、ワフティーが死後世界で快適に暮らすための事物などが描かれています。
関係者によると、今回発見されたのは司祭や家族・友人たちがお参りするための礼拝室であるようで、さらに５本の通路を発見しています。
１本は行き止まりだったようですが、残り４本は封印されており、いずれかの通路の先にワフティーの玄室があるものと思われます。
すでに通路の発掘がはじっているようですが、礼拝室の様子から玄室は未盗掘と考えられ、ミイラと副葬品の発見がおおいに期待されています。
＊ ＊ ＊
上のニュースの１か月ほど前、サッカーラでネコやスカラベ（神聖視されていたコガネムシ科の甲虫）のミイラや彫刻が大量に発見されたというニュースもありました。
これらは３つの墓から発掘されたもので、100体に及ぶネコの木像や銅像、石棺に入れられた数百匹にスカラベ、さらにはライオンやウシの木像なども見つかっています。
また、11月にはサッカーラからナイル川を500kmほど上った場所にあるルクソール近郊のネクロポリスでも貴族墓２基の発見が発表されています。
ピラミッドやツタンカーメンの墓の未知の空間の続報も気になりますし、古代エジプトはやっぱりワクワクさせてくれますね。
なお、サッカーラはエジプトの世界遺産「メンフィスとその墓地遺跡－ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯」に、ルクソール近郊のネクロポリスは「古代都市テーベとその墓地遺跡」に登録されています。
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