世界遺産NEWS 16/04/30:2016年、新登録の日本遺産
4月25日、文化庁は新たに19件の日本遺産 "Japan Heritage" を認定しました。
昨年4月に初の日本遺産18件が誕生していますので、これで計37件となりました。
今回は19件の概要と、日本遺産に申請していた67件のリストを紹介します。
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日本遺産は昨年から認定がはじまった文化庁の試みです。
世界遺産条約や文化財保護法は一つひとつの文化財の価値を見極め、価値が認められた文化財を永遠に保護していこうという取り組みです(世界遺産の場合は自然遺産を含みます)。
このため個々の文化財は登録にあたって厳しい審査を受けなければなりません。
一方、日本遺産は文化財の保護・保存が目的ではありません。
目的は、地域に点在する複数の文化財を「面」としてパッケージ化し、地域理解や観光客の誘致をはじめ地域のブランド化とアイデンティティの確立に貢献し、地域活性化を進めることにあります。
したがって文化財の価値や希少性よりも面として捉えるための「ストーリー」を重視している点が特徴です。
そして認定後は、日本遺産を観光資源として活用して開発を行い、国内外にアピールしていく計画です。
文化庁は今年度、12億円の予算を確保しており、各自治体に振り分けられてWebサイトやパンフレット・案内板の新設&多言語化、ガイドの育成、PR費等に使用される見込みです。
今後も毎年認定を行って、2020年までに約100件の登録を目指しているということです。
そして今年は67件の申請があり、19件が認定されました。
文化庁の報道資料より、19件のリストと各物件のストーリーの概要、67件の申請物件のリストを抜粋しましょう。
なお、昨年の登録&申請リスト、日本遺産の詳細は記事末のリンクを参照ください。
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<2016年登録の日本遺産>
■政宗が育んだ “伊達” な文化
宮城県:仙台市、塩竈市、多賀城市、松島町
仙台藩を築いた伊達政宗は、戦国大名として政治・軍事面での活躍は広く知られるところであるが、時代を代表する文化人でもあり、文化的にも上方に負けない気概で、自らの “都” 仙台を創りあげようとした。政宗は、その気概をもって、古代以来東北の地に根付いてきた文化の再興・再生を目指す中で、伊達家で育まれた伝統的な文化を土台に、上方の桃山文化の影響を受けた豪華絢爛、政宗の個性ともいうべき意表を突く粋な斬新さ、さらには海外の文化に触発された国際性、といった時代の息吹を汲み取りながら、これまでにない新しい “伊達” な文化を仙台の地に華開かせていった。そして、その文化は政宗だけに留まらず、時代を重ねるにつれ、後の藩主に、さらには仙台から全国へ、そして武士から庶民にまで、さまざまな方面へ広がり、定着し、熟成を加えていった。
■自然と信仰が息づく『生まれかわりの旅』~樹齢300年を超える杉並木につつまれた2,446段の石段から始まる出羽三山~
山形県:鶴岡市、西川町、庄内町
山形県の中央に位置する出羽三山の雄大な自然を背景に生まれた羽黒修験道では、羽黒山は人々の現世利益を叶える現在の山、月山はその高く秀麗な姿から祖霊が鎮まる過去の山、湯殿山はお湯の湧き出る赤色の巨岩が新しい生命の誕生を表す未来の山と言われます。三山を巡ることは、江戸時代に庶民の間で『生まれかわりの旅』として広がり、地域の人々に支えられながら、日本古来の、山の自然と信仰の結び付きを今に伝えています。羽黒山の杉並木につつまれた石段から始まるこの旅は、訪れる者に自然の霊気と自然への畏怖を感じさせ、心身を潤し明日への新たな活力を与えます。
■会津の三十三観音めぐり ~巡礼を通して観た往時の会津の文化~
福島県:会津若松市、喜多方市、南会津町、下郷町、檜枝岐村、只見町、北塩原村、西会津町、磐梯町、猪苗代町、会津坂下町、湯川村、柳津町、会津美里町、三島町、金山町、昭和村
磐梯山信仰を取り込み東北地方で最も早く仏教文化が花開いた会津は、今も平安初期から中世、近世の仏像や寺院が多く残り「仏都会津」とよばれる。その中でも三十三観音巡りは、古来のおおらかな信仰の姿を今に残し、広く会津の人々に親しまれている。会津藩祖、名君保科正之が定めた会津三十三観音巡りは広く領民に受け入れられ、のちに様々な三十三観音がつくられた。会津の三十三観音は、国宝を蔵する寺院から山中に佇むひなびた石仏までいたるところにその姿をとどめており、これら三十三観音を巡った道を、道中の宿場や門前町で一服しながらたどることで、往時の会津の人々のおおらかな信仰と娯楽を追体験することができるのである。
■未来を拓いた「一本の水路」 -大久保利通 “最期の夢” と開拓者の軌跡郡山・猪苗代-
福島県:郡山市、猪苗代町
明治維新後、武士の救済と、新産業による近代化を進めるため、安積地方の開拓に並々ならぬ想いを抱いていた大久保利通。夢半ばで倒れた彼の想いは、郡山から西の天空にある猪苗代湖より水を引く「安積開拓・安積疏水開さく事業」で実現した。奥羽山脈を突き抜ける「一本の水路」は、外国の最新技術の導入、そして、この地域と全国から人、モノ、技を結集し、苦難を乗り越え完成した。この事業は、猪苗代湖の水を治め、米や鯉など食文化を一層豊かにし、さらには水力発電による紡績等の新たな産業の発展をもたらした。未来を拓いた「一本の水路」は、多様性と調和し共生する風土と、開拓者の未来を想う心、その想いが込められた桜とともに、今なおこの地に受け継がれている。
■北総四都市江戸紀行・江戸を感じる北総の町並み ─佐倉・成田・佐原・銚子:百万都市江戸を支えた江戸近郊の四つの代表的町並み群─
千葉県:佐倉市、成田市、香取市、銚子市
北総地域は、百万都市江戸に隣接し、関東平野と豊かな漁場の太平洋を背景に、利根川東遷により発達した水運と江戸に続く街道を利用して江戸に東国の物産を供給し、江戸のくらしや経済を支えた。こうした中、江戸文化を取り入れることにより、城下町の佐倉、成田山の門前町成田、利根水運の河岸、香取神宮の参道の起点の佐原、漁港・港町、そして磯巡りの観光客で賑わった銚子という4つの特色ある都市が発展した。これら四都市では、江戸庶民も訪れた4種の町並みや風景が残り、今も東京近郊にありながら江戸情緒を体感することができる。成田空港からも近いこれらの都市は、世界から一番近い「江戸」といえる。
■江戸庶民の信仰と行楽の地 ~巨大な木太刀を担いで「大山詣り」~
神奈川県:伊勢原市
大山詣りは、鳶などの職人たちが巨大な木太刀を江戸から担いで運び、滝で身を清めてから奉納と山頂を目指すといった、他に例をみない庶民参拝である。そうした姿は歌舞伎や浮世絵にとりあげられ、また手形が不要な小旅行であったことから人々の興味関心を呼び起こし、江戸の人口が100 万人の頃、年間20 万人もの参拝者が訪れた。大山詣りは、今も先導師たちにより脈々と引き継がれている。首都近郊に残る豊かな自然とふれあいながら歴史を巡り、山頂から眼下に広がる景色を目にしたとき、大山にあこがれた先人の思いと満足を体感できる。
■いざ、鎌倉 ~歴史と文化が描くモザイク画のまちへ~
神奈川県:鎌倉市
鎌倉は、源頼朝によって幕府が開かれた後、急速に都市整備が進められ、まちの中心には鶴岡八幡宮、山には切通、山裾には禅宗寺院をはじめとする大寺院が造られた。この地に活きた武士たちの歴史と哀愁を感じられる古都鎌倉は、近世には信仰と遊山の対象として脚光を浴び、近代には多くの別荘が建てられたが、歴史的遺産と自然とが調和したまちの姿は守り伝えられてきた。このような歴史を持つ古都鎌倉は、自然と一体となった中世以来の社寺が醸し出す雰囲気の中に、各時代の建築や土木遺構、鎌倉文士らが残した芸術文化、生業や行事など様々な要素が、まるでモザイク画のように組み合わされた特別なまちとなったのである。
■「なんだ、コレは!」 信濃川流域の火焔型土器と雪国の文化
新潟県:三条市、新潟市、長岡市、十日町市、津南町
日本一の大河・信濃川の流域は、8000年前に気候が変わり、世界有数の雪国となった。この雪国から5000年前に誕生した「火焔型土器」は大仰な4つの突起があり、縄文土器を代表するものである。火焔型土器の芸術性を発見した岡本太郎は、この土器を見て「なんだ、コレは!」と叫んだという。火焔型土器を作った人々のムラは信濃川流域を中心としてあり、その規模と密集度は日本有数である。このムラの跡に佇めば、5000年前と変わらぬ独特の景観を追体験できる。また、山・川・海の幸とその加工・保存の技術、アンギン、火焔型土器の技を継承するようなモノづくりなど、信濃川流域には縄文時代に起源をもつ文化が息づいている。火焔型土器は日本文化の源流であり、浮世絵、歌舞伎と並ぶ日本文化そのものなのである。
■『珠玉と歩む物語』小松 ~時の流れの中で磨き上げた石の文化~
石川県:小松市
小松の人々は、弥生時代の碧玉の玉つくりを始まりとして2300年にわたり、金や銅の鉱石、メノウ、オパール、水晶、碧玉の宝石群、良質の凝灰岩石材、九谷焼原石の陶石などの石の資源を見出し、時代のニーズに応じて、現代の技術をもってしても再現が困難な高度な加工技術を磨き上げ、ヤマト王権の諸王たちが権威の象徴として挙って求めるなど、人・モノ・技術が交流する豊かな石の文化を築き上げてきている。
■木曽路はすべて山の中 ~山を守り山に生きる~
長野県:南木曽町、大桑村、上松町、木曽町、木祖村、王滝村、塩尻市
戦国時代が終わり新たな町づくりがすすめられると、城郭・社寺建築の木材需要の急増は全国的な森林乱伐をもたらした。森林資源が地域の経済を支えていた木曽谷も江戸時代初期に森林資源の枯渇という危機に陥る。所管する尾張藩は、禁伐を主体とする森林保護政策に乗り出し、木曽谷の人々は、新たな地場産業にくらしの活路を見出した。そして、江戸時代後期、木曽漆器などの特産品は、折しも街道整備がすすみ増大した御嶽登拝の人々などによって、宿場から木曽路を辿り全国に広められた。江戸時代、全国に木曽の名を高めた木曽檜や木曽馬、木曽漆器など伝統工芸品は、今も木曽谷に息づく木曽の代名詞である。
■飛騨匠の技・こころ ―木とともに、今に引き継ぐ1300年―
岐阜県:高山市
「飛騨工制度」は古代に木工技術者を都へ送ることで税に充てる全国唯一の制度で、飛騨の豊かな自然に育まれた「木を生かす」技術や感性と、実直な気質は古代から現代まで受け継がれ、高山の文化の基礎となっている。市内には中世の社寺建築群や近世・近代の大工一門の作品群、伝統工芸など、現在も様々なところで飛騨匠の技とこころに触れることができる。これは私たちが木と共に生きてきた1300年の高山の歴史を体感する物語である。
■『古事記』の冒頭を飾る「国生みの島・淡路」~古代国家を支えた海人の営み~
兵庫県:淡路市、洲本市、南あわじ市
わが国最古の歴史書『古事記』の冒頭を飾る「国生み神話」。この壮大な天地創造の神話の中で最初に誕生する “特別な島” が淡路島である。その背景には、新たな時代の幕開けを告げる金属器文化をもたらし、後に塩づくりや巧みな航海術で畿内の王権や都の暮らしを支えた “海人” と呼ばれる海の民の存在があった。畿内の前面に浮かぶ瀬戸内最大の島は、古代国家形成期の中枢を支えた “海人” の歴史を今に伝える島である。
■森に育まれ、森を育んだ人々の暮らしとこころ ~美林連なる造林発祥の地 “吉野” ~
奈良県:吉野町、下市町、黒滝村、天川村、下北山村、上北山村、川上村、東吉野村
我が国造林発祥の地である奈良県吉野地域には、約500年にわたり培われた造林技術により育まれた重厚な深緑の絨毯の如き日本一の人工の森と、森に暮らす人々が神仏坐す地として守り続ける野趣溢れる天然の森が、訪れる人々を圧倒する景観で迎えてくれる。ここに暮らす人々が、それらの森を長きに亘って育み、育まれる中で作り上げた食や暮らしの文化が今に伝わり、訪れる者はそれを体感して楽しむことができる。
■鯨とともに生きる
和歌山県:新宮市、那智勝浦町、太地町、串本町
鯨は、日本人にとって信仰の対象となる特別な存在であった。人々は、大海原を悠然と泳ぐ巨体を畏れたものの、時折浜辺に打ち上げられた鯨を食料や道具の素材などに利用していたが、やがて生活を安定させるため、捕鯨に乗り出した。熊野灘沿岸地域では、江戸時代に入り、熊野水軍の流れを汲む人々が捕鯨の技術や流通方法を確立し、これ以降、この地域は鯨に感謝しつつ捕鯨とともに生きてきた。当時の捕鯨の面影を残す旧跡が町中や周辺に点在し、鯨にまつわる祭りや伝統芸能、食文化が今も受け継がれている。
■地蔵信仰が育んだ日本最大の大山牛馬市
鳥取県:大山町、伯耆町、江府町、米子市
大山の山頂に現れた万物を救う地蔵菩薩への信仰は、平安時代末以降、牛馬のご加護を願う人々を大山寺に集めた。江戸時代には、大山寺に庇護され信仰に裏打ちされた全国唯一の「大山牛馬市」が隆盛を極め、明治時代には日本最大の牛馬市へと発展した。西国諸国からの参詣者や牛馬の往来で賑わった大山道沿いには、今も往時を偲ぶ石畳道や宿場の町並み、所子に代表される農村景観、「大山おこわ」など独特の食文化、大山の水にまつわる「もひとり神事」などの行事、風習が残されている。ここには、人々が日々「大山さんのおかげ」と感謝の念を捧げながら大山を仰ぎ見る暮らしが息づいている。
■出雲國たたら風土記 ~鉄づくり千年が生んだ物語~
島根県:雲南市、安来市、奥出雲町
日本古来の鉄づくり「たたら製鉄」で繁栄した出雲の地では、今日もなお世界で唯一たたら製鉄の炎が燃え続けています。たたら製鉄は、優れた鉄の生産だけでなく、原料砂鉄の採取跡地を広大な稲田に再生し、燃料の木炭山林を永続的に循環利用するという、人と自然とが共生する持続可能な産業として日本社会を支えてきました。また、鉄の流通は全国各地の文物をもたらし、都のような華やかな地域文化をも育みました。今もこの地は、神代の時代から先人たちが刻んできた鉄づくり千年の物語が終わることなく紡がれています。
■鎮守府横須賀・呉・佐世保・舞鶴 ~日本近代化の躍動を体感できるまち~
広島県:呉市、神奈川県:横須賀市、長崎県:佐世保市、京都府:舞鶴市
明治期の日本は、近代国家として西欧列強に渡り合うための海防力を備えることが急務であった。このため、国家プロジェクトにより天然の良港を四つ選び軍港を築いた。静かな農漁村に人と先端技術を集積し、海軍諸機関と共に水道、鉄道などのインフラが急速に整備され、日本の近代化を推し進めた四つの軍港都市が誕生した。百年を超えた今もなお現役で稼働する施設も多く、躍動した往時の姿を残す旧軍港四市は、どこか懐かしくも逞しく、今も訪れる人々を惹きつけてやまない。
■”日本最大の海賊” の本拠地:芸予諸島 -よみがえる村上海賊 “Murakami KAIZOKU” の記憶-
愛媛県:今治市、広島県:尾道市
戦国時代、宣教師ルイス・フロイスをして “日本最大の海賊” と言わしめた「村上海賊」“MurakamiKAIZOKU”。理不尽に船を襲い、金品を略奪する「海賊」(パイレーツ)とは対照的に、村上海賊は掟に従って航海の安全を保障し、瀬戸内海の交易・流通の秩序を支える海上活動を生業とした。その本拠地「芸予諸島」には、活動拠点として築いた「海城」群など、海賊たちの記憶が色濃く残っている。尾道・今治をつなぐ芸予諸島をゆけば、急流が渦巻くこの地の利を活かし、中世の瀬戸内海航路を支配した村上海賊の生きた姿を現代において体感できる。
■日本磁器のふるさと肥前 ~百花繚乱のやきもの散歩~
佐賀県:唐津市、伊万里市、武雄市、嬉野市、有田町、長崎県:佐世保市、平戸市、波佐見町
陶石、燃料(山)、水(川)など窯業を営む条件が揃う自然豊かな九州北西部の地「肥前」で、陶器生産の技を活かし誕生した日本磁器。肥前の各産地では、互いに切磋琢磨しながら、個性際立つ独自の華を開かせていった。その製品は全国に流通し、我が国の暮らしの中に磁器を浸透させるとともに、海外からも賞賛された。今でも、その技術を受け継ぎ特色あるやきものが生み出される「肥前」。青空に向かってそびえる窯元の煙突やトンバイ塀は脈々と続く窯業の営みを物語る。この地は、歴史と伝統が培った技と美、景観を五感で感じることのできる磁器のふるさとである。
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<2016年の登録に向けて申請を行った67件のリスト>
- 青森港を中心とした近世からの都市計画~大火・戦災の記憶とともに~(青森県:青森市)
- ヤマセと馬が生んだ風俗と景観(青森県:八戸市、階上町)
- 政宗が育んだ“伊達”な文化(宮城県:仙台市、塩竈市、多賀城市、松島町)
- 豊穣を願う雪国のまつりと水への祈り~美田・美酒・美人の郷「あきた仙北平野」~(秋田県:大仙市、仙北市、美郷町)
- 菅江真澄が記した江戸時代の秋田-あきた今昔ものがたり-(秋田県:北秋田市、能代市、男鹿市、秋田市、由利本荘市、にかほ市、大仙市、横手市、湯沢市、美郷町)
- 自然と信仰が息づく『生まれかわりの旅』~樹齢300年を超える杉並木につつまれた2,446段の石段から始まる出羽三山~(山形県:鶴岡市、西川町、庄内町)
- 教学の精神が育てた城下町鶴岡~ 藩校致道館と松ヶ岡開墾場(山形県:鶴岡市)
- 会津の三十三観音めぐり~巡礼を通して観た往時の会津の文化~(福島県:会津若松市、喜多方市、南会津町、下郷町、檜枝岐村、只見町、北塩原村、西会津町、磐梯町、猪苗代町、会津坂下町、湯川村、柳津町、会津美里町、三島町、金山町、昭和村)
- 未来を拓いた「一本の水路」-大久保利通“最期の夢”と開拓者の軌跡郡山・猪苗代-(福島県:郡山市、猪苗代町)
- はじめて物語足尾日本初がある銅の町(栃木県:日光市)
- 水が流れる織田の城下町─街の生き字引「雄川堰」─(群馬県:甘楽町)
- 忍の水物語~“浮き城”と呼ばれた忍城と足袋のまち行田~(埼玉県:行田市)
- 埼玉県東部地域の水路と水田文化―葛西用水路と周辺水路・水辺の歴史の生き証人―(埼玉県:春日部市、久喜市、幸手市、杉戸町、松伏町、吉川市、三郷市、八潮市)
- 武蔵野を拓く! 江戸に最も近い川越藩の挑戦(埼玉県:川越市、新座市、三芳町)
- 「北総四都市江戸紀行・江戸を感じる北総の町並み」─佐倉・成田・佐原・銚子:百万都市江戸を支えた江戸近郊の四つの代表的町並み群─(千葉県:佐倉市、成田市、香取市、銚子市)
- 日本一広い国府と国分寺~徳川家康が崇敬した古代武蔵のまちづくり~(東京都:国分寺市、府中市)
- 江戸庶民の信仰と行楽の地~巨大な木太刀を担いで「大山詣り」~(神奈川県:伊勢原市)
- 「いざ、鎌倉」~歴史と文化が描くモザイク画のまちへ~(神奈川県:鎌倉市)
- 「なんだ、コレは!」信濃川流域の火焔型土器と雪国の文化(新潟県:三条市、新潟市、長岡市、十日町市、津南町)
- 日本に誇る民謡の宝庫「なんと」~唄い踊り継がれる歴史と伝統~(富山県:南砺市)
- 『珠玉と歩む物語』小松~時の流れの中で磨き上げた石の文化~(石川県:小松市)
- きらめく金箔~黄金の国ジパングを支える金沢~(石川県:金沢市)
- 湧水と共に暮らしてきた城下町越前大野~大野人が守り続けた水文化~(福井県:大野市)
- 蘇る中世越前の威風~戦国にいざなう一乗谷と白山平泉寺~(福井県:福井市、勝山市)
- 世界に知られた甲斐国の王信玄─フォッサ・マグナが生んだ戦国の名将とその遺産群(山梨県:甲府市、富士吉田市、山梨市、大月市、韮崎市、南アルプス市、北杜市、甲斐市、笛吹市、甲州市、身延町、南部町、富士河口湖町)
- ご縁を結ぶ地‐長野~善光寺と戸隠‐戦国の戦乱から復興を遂げた日本一の門前町~(長野県:長野市)
- 木曽路はすべて山の中~ 山を守り山に生きる ~(長野県:南木曽町、大桑村、上松町、木曽町、木祖村、王滝村、塩尻市)
- 飛騨匠の技・こころ―木とともに、今に引き継ぐ1300年―(岐阜県:高山市)
- ここが東西出会いの地関ケ原(岐阜県:大垣市、垂井町、関ケ原町、養老町)
- 若き家康に出逢うまち~戦国大名・徳川家康の城下町、岡崎・浜松・静岡~(静岡県:浜松市、静岡市、愛知県:岡崎市)
- 「あいち de 醸(かも)す」─あいちの醸造文化を巡る─(愛知県:名古屋市、犬山市、清須市、津島市、愛西市、あま市、蟹江町、半田市、常滑市、阿久比町、武豊町、岡崎市、碧南市、西尾市、豊田市)
- 城と城下町が紡ぐ町人文化─温故知新のまち犬山─(愛知県:犬山市)
- 尾張名古屋は堀川でもつ―城下町名古屋に生命を吹き込み、育てた運河―(愛知県:名古屋市)
- 神官を遙かに仰ぐ宿場町関宿(三重県:亀山市)
- 神を斎(いつ)く観音霊場・竹生島~神仏習合の風土から発信するメッセージ~(滋賀県:長浜市)
- ─忍びの里伊賀・甲賀─ 忍者の真の姿を追え!(滋賀県:甲賀市、三重県:伊賀市)
- 天橋立~天に架ける橋と人々との出会い~(京都府:宮津市、与謝野町)
- 僧と民衆が創ったもう一つの中世的世界~奥河内にあった共和国・境内都市・民主政治~(大阪府:河内長野市)
- 巨大前方後円墳があるまち・藤井寺─土師氏の智恵と技術が遺した風景─(大阪府:藤井寺市)
- 神々の力が宿る石~古代から伝わる竜山石の文化の継承~(兵庫県:高砂市)
- 『古事記』の冒頭を飾る「国生みの島・淡路」~古代国家を支えた海人の営み~(兵庫県:淡路市、洲本市、南あわじ市)
- 近代日本の鉱山システムを生み出した、生野鉱山と馬車の道(兵庫県:朝来市、姫路市、福崎町、市川町、神河町、養父市)
- 日本麺食文化のルーツ三輪素麺~三輪山の神の子孫がつくった伝統食が今も息づく三輪・山の辺の地~(奈良県:桜井市、天理市)
- 森に育まれ、森を育んだ人々の暮らしとこころ~美林連なる造林発祥の地“吉野”~(奈良県:吉野町、下市町、黒滝村、天川村、下北山村、上北山村、川上村、東吉野村)
- 薬の発祥の地~知れば知るほどおもしろい奈良のくすり1400年の歴史~(奈良県:奈良市、大和郡山市、橿原市、桜井市、五條市、御所市、葛城市、宇陀市、斑鳩町、高取町、明日香村)
- 鯨とともに生きる(和歌山県:新宮市、那智勝浦町、太地町、串本町)
- 御三家紀州徳川家の「父母状」を継承する街(和歌山県:和歌山市、海南市)
- 地蔵信仰が育んだ日本最大の大山牛馬市(鳥取県:大山町、伯耆町、江府町、米子市)
- 出雲國たたら風土記~鉄づくり千年が生んだ物語~(島根県:雲南市、安来市、奥出雲町)
- 炎と土の結晶─日本六古窯─(岡山県:備前市、福井県:越前町、愛知県:瀬戸市、滋賀県:常滑市、甲賀市、兵庫県:篠山市)
- 幕末の「地方創生」-備中の儒学者山田方谷の改革-(岡山県:高梁市、倉敷市、新見市、備前市、真庭市、美咲町)
- 鎮守府横須賀・呉・佐世保・舞鶴~日本近代化の躍動を体感できるまち~(広島県:呉市、神奈川県:横須賀市、長崎県:佐世保市、京都府:舞鶴市
- 生まれかわる橋と受け継がれる匠の心~錦帯橋がつなぐ創造城下町~(山口県:岩国市)
- 鳴門海峡の恵み~「潮」と「塩」の物語 ~(徳島県:鳴門市、兵庫県:南あわじ市)
- 海と大地の恵みを受けて、島びとの自普請が育んだ小豆島の近世食産業と文化~ 塩・醤油・素麺・農村歌舞伎~(香川県:小豆島町、土庄町)
- “Haiku”の都・松山俳句が織りなす文学の街(愛媛県:松山市)
- 河道を行く~生命を生み出し、産業を育み、物や人を運ぶ道「肱川」~(愛媛県:大洲市、内子町)
- “日本最大の海賊”の本拠地:芸予諸島-よみがえる村上海賊“Murakami KAIZOKU”の記憶-(愛媛県:今治市、広島県:尾道市)
- 清流・仁淀川が育む土佐和紙の産業文化と暮らしの風景(高知県:佐川町、土佐市、いの町、越知町、仁淀川町、日高村)
- 日本磁器のふるさと肥前~百花繚乱のやきもの散歩~(佐賀県:唐津市、伊万里市、武雄市、嬉野市、有田町、長崎県:佐世保市、平戸市、波佐見町)
- 長崎街道シュガーロード~スイーツの旅~(長崎県:、佐賀県:、福岡県: 長崎市、諫早市、大村市、佐賀県:嬉野市、小城市、佐賀市、福岡県:飯塚市)
- 天下第一の米作り~菊池川流域二千年の米作りの歴史~(熊本県:山鹿市、玉名市、菊池市、和水町)
- 国東半島に咲いた六郷満山の大蓮華~耶馬から見る寺院と農村の交流史~(大分県:豊後高田市、国東市)
- 「巌石の王国」耶馬渓-100年前の自動車遊覧-(大分県:中津市、玖珠町)
- 道後・別府の温泉文化遺産群~神話の時代からつながる2つの温泉地~(大分県:別府市、愛媛県:松山市)
- 山の道から海の道へ~杉生産量日本一を生んだ「日向弁甲」のふるさと(宮崎県:日南市)
- おらが殿様が今に伝えた、古からの優美な都文化・精神文化(宮崎県:西都市、西米良村)
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ここ数年、外国人観光客が激増しています。
JNTO(日本政府観光局)によると、2010年から861万→622万→836万→1,036万→1,341万人→1,974万と、すさまじい伸びを記録しています。
多くの外国人は東京-京都・奈良-大阪を結ぶいわゆる「ゴールデン・ルート」を巡るわけですが、近年は和歌山県の高野山や岐阜県の飛騨・高山、香川県の直島、北海道のニセコ、静岡の伊豆といった少々ディープな観光地が人気であるようです。
日本遺産の知名度自体はまだまだですが、日本遺産の中にはこれらに勝るとも劣らない魅力を持った場所が多々含まれていますから、期待が持てるかもしれません。
ぼくは「ストーリーで魅せる」というアイデアはとてもよいと思っています。
歴史や地理や文化の知識が何もない人を見た目だけで魅了できる文化財というのは、世界文化遺産であろうともなかなかあるものではありません。
その文化財に込められた歴史や人々の思いを知ることで、他ではできない感動を体験することができるのですし、地域の料理や伝統工芸品の味わいがより深くなるものなのです。
同時に、地域の人々にとっても自分たちの文化への愛着やアイデンティティの確立にも貢献することでしょう。
それが文化の保存や維持につながるに違いありません。
そういう意味で、日本遺産の活性化にはぜひ期待したいと思います。
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