世界遺産検定攻略法9.マイスター試験の概要
前回まで、世界遺産検定1~4級の攻略法を書いてきました。
最初に書いたように、この攻略法の狙いは受検戦略を通して「勉強の仕方を学ぶ」「歴史の本質を学ぶ」「世界遺産の理念を学ぶ」ことにあるわけですから、当然マイスター試験にも応用できます。
ただ、マイスター試験はこれまでと違って筆記試験ですから、これに対する戦術が必要になってきます。
そうした戦術の前に、今回はまずマイスター試験の概要を紹介しましょう。
○本記事の章立て
- 世界遺産検定マイスターの試験概要
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■世界遺産検定マイスターの試験概要
○マイスター試験の内容
世界遺産検定の公式サイトから、マイスター試験の概要を抜粋してみましょう。
○マイスター試験概要
- 受検資格:1級以上の認定者
- 受検料:19,000円
- 出題概要:論述筆記、大問3題120分(問1は小問3題で構成、問2・問3は1問のみ)
- 認定基準:20点満点中12点以上、かつ問1+問2で6点以上、問3で6点以上
- 認定率:3~5割。第24、26回の2回では48.8%、52.8%
- 出題範囲:世界遺産全件
- 配点:非公開(推定で、問1+問2で計10点、問3が10点)
マイスター試験に対する市販教材はありません。
ただ、世界遺産検定の公式サイトに学習方法等の情報が掲載されています。
こちらは必見です。
- 【マイスター】概要と例題・対策(世界遺産検定公式サイト)
1~4級と決定的に異なるのは、マークシート方式ではなく筆記試験であるということです。
問題に対する解答を、指定の文字数内で自分自身の言葉で書かなくてはなりません。
○マイスター試験の問題と解答用紙
問題は大問3題で、問1~3で構成されています。
大問1の中に小問が3題あり、大問2と大問3には小問がありません。
以下がひとつのパターンになっています。
○マイスター試験の問題
- 問1:次の語句を簡潔に説明しなさい
1.○○○
2.○○○
3.○○○
- 問2:世界遺産条約について、次の語句をすべて使って、400字以内で説明しなさい。なお、解答中の次の語句の使用箇所には下線を引きなさい
○○○ ○○○ ○○○ ○○○
- 問3:……1,200字以内で論じなさい
解答用紙は、問1と問2の解答用紙1枚と、問3の解答用紙1枚、計2枚を渡されます。
また、これらとは別に下書用紙として、片面だけに1,320文字分(30字×44行)のマス目が入った用紙が2枚配布されます。
解答用紙の解答欄ですが、問1の小問3題はマス目のない1行に書いていく形になります。
問1は問題の中に文字数が書かれていないし、マス目もないということで、文字数がハッキリしません。
ただ、上の「例題と対策:マイスター」の中で読むことのできる「講評および学習方法」の中には「それぞれの語句を約50文字以内で説明する問題」と書かれていますから、50字以内と考えればよいでしょう。
問2と問3の解答用紙にはマス目が書かれており、1マスに1文字ずつ入れていくことになります。
文字数制限は、問2が400字以内、問3が1,200字以内となっています。
改行を入れる場合、空白部分も文字数に含めることになります。
配点は公開されていません。
ただ、世界遺産検定の公式サイトによると、認定基準は20点満点中12点以上ですが、「12点に達していても、問1・問2で6点、問3で6点にそれぞれ達していなければ、合格基準を満たしていないものとする」とあります。
ここから、問1+問2と問3が同じ配点なのではないかと推測できます。
ということで、配点は問1+問2で計10点、問3が10点と考えるのが妥当かと思います(そうでない可能性もあります)。
※追記
個人的な感想なのですが、ぼくはマイスター試験に関して、なんらかの得点調整が行われていると考えています。
というのは、自己採点したときにそう考えないと理解が難しいケースが出ているからです。
ただ、そうだとしても受検者に悪い調整ではなく、認定率をある率以上に収めるために認定基準に満たない人を合格させているのではないかと思います。
他の級でもこうした調整はしていますから、それと同じです。
まあ、実際のところはわかりませんが。
○「講評および学習方法」は熟読すべし
マイスター試験のオフィシャルな資料は上で紹介した世界遺産検定公式サイトの「例題と対策:マイスター」にあるもののみ、ということになります。
ここには「○○年○○月の試験の講評および学習方法はこちら」というリンクがあり、過去2年4回分のマイスター試験についてPDFが公開されています。
ここに書かれている内容は非常に重要なので、必ず目を通すようにしてください。
一例ですが、以下のようなことが書かれています。
- 問1は約50字以内で説明する
- 解答は本質を簡潔に。本質以外をいくら並べても高得点は得られない
- 問2はただ語句を入れるのではなく、出題者の意図をくみ取ったうえで全体で世界遺産条約を説明する
- 問2・問3は指定文字数の8割以上書かないと減点対象となる
- 問3は問題を考察して独自の意見を論ずる問題で、正確な情報を根拠として提示する必要がある
- 問3では改行や段落あけなどを用いて文章として体裁を整える
これらをじっくり読むか読まないかで解答の作り方が変わってくると思います。
できればさらに過去のPDFも検索して探してみてください。
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次回は大問3題からなるマイスター試験の受検戦略と、問1と問2に対する学習方法を紹介します。
[関連サイト]
世界遺産検定(公式サイト)