世界遺産検定攻略法1.世界遺産検定攻略の理念と背景
本シリーズ「世界遺産検定攻略法」では、世界遺産アカデミーが運営している世界遺産検定1~4級&マイスター認定のための効率のよい学習法・勉強法を紹介していきます。
特に攻略を目指すのはもっとも難易度が高い「1級」です。
ここで記す1級攻略法は他の級はもちろん、あらゆる試験や検定に応用できるものですから、ぜひ身につけてみてください。
さて、攻略法第1回は検定攻略の理念と目的、その背景を紹介します。
なお、検定に関する正確な情報は最後にリンクした世界遺産検定の公式サイトでご確認ください。
○本記事の章立て
- 検定攻略の理念、勉強の意味
- 攻略法を紹介する背景
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■検定攻略の理念、勉強の意味
本シリーズで紹介する検定攻略の理念は以下です。
- 受検戦略を通して勉強の仕方を学ぶ
- 受検戦略を通して歴史の本質を学ぶ
- 受検戦略を通して世界遺産の理念を学ぶ
本シリーズでは試験戦略、あるいは検定用の受検戦略をベースとした学習法を解説します。
「戦略」というと「小手先の悪しき学習法」というイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし、こうした戦略は大学受験や資格試験をはじめ、あらゆる試験や検定に応用できるだけでなく、学習する内容の本質を押さえ、社会に出たときに直面する正解のない問題に立ち向かう技術を与えてくれるものです。
少し大げさに解説します。
たとえば研究者や開発者は世界で誰も解いたことのない問題に日々取り組んでいます。
サラリーマンだって「物を売る」とか「最高のサービスを提供する」といった難解な問題と格闘しています。
あるいは家族や友人、同僚や取引先との人間関係はどんな人にとっても重要で解きがたい問題でありつづけているはずです。
人生で直面するこうした問いには基本的に「正解」がありません。
このような問題にぼくたちはどのように答えていけばよいのでしょうか?
これに対して方針を示してくれるのが「戦略」なのです。
勉強は、必ずしも学んでいることの内容自体に意味があるわけではありません。
たとえ勉強したことをすべて忘れてしまったとしても、問題に対するアプローチの仕方や解き方は役に立つはずなのです。
そして試験や検定を通して身につけた解法を武器として、人生のさまざまな問題に立ち向かっていくわけです。
こうした「人生を生き抜く力」を学ぶことこそが勉強の本質だとぼくは考えています。
実際、世界遺産検定でどこまでできるか難しいところではあります。
ただ、意識次第では十分可能だと考えているので最初に掲げてみた次第です。
このシリーズで紹介する試験戦略・受検戦略は「最短」での合格・認定を目指すものであり、同時に勉強内容の「本質理解」を目的としています。
言い換えると、本質に焦点を当てることができるからこそ無駄をそぎ落とし、最短攻略が可能になります。
そして「無駄をそぎ落とす」という作業が戦略なのです。
勉強自体には王道も邪道もありません。
検定教材を読んで学ぶということ自体を省略することはできません。
ただ、勉強内容を吟味するところに戦略の余地があるのです。
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■攻略法を紹介する背景
なぜぼくはこのような攻略法を書けるのでしょうか?
実は、ぼくには教育系の出版社に勤めていた時期があって、大学受験の雑誌や参考書を編集していました。
進学校や予備校の先生方や東大生を中心とした大学生ら数百人にインタビューを行いましたし、「受験のプロ」とか「受験界のカリスマ」と言われる方々の担当も務めていました。
そしてそれらをまとめた受験攻略の特集なども多々編集・執筆してきました。
今回紹介する試験戦略・受検戦略はその集大成です。
ですから大学受験をはじめとする入試や各種資格試験に応用できるのは当然です。
本当は大学受験や公務員試験ほどの試験範囲があった方が効果が高いのですが、まぁいいでしょう。
その成果です。
ぼくの世界遺産検定における得点です。
- 3級:98点/100点満点(60問中59問正解)
- 2級:96点/100点満点(60問中58問正解)
- 1級:195点/200点満点(90問中88問正解)※最高得点にて文部科学大臣賞受賞
1~3級を通じて全210問、うち不正解は5問、正解率97.6%です。
実は1級の受検は2級認定から6年も経っているのですが、勉強自体は半年弱です。
ぼくはたくさんの世界遺産を訪ねていますし、世界遺産関係の記事の執筆も行っているので有利だとは思います。
でも、1級教材『すべてがわかる世界遺産1500』3巻を読めばわかると思いますが、そのような知識が通用する検定ではありません。
教材に即した知識が不可欠で、受検勉強なしでは世界遺産の関係者や世界史の先生であってもほとんど得点できないでしょう。
たとえば本サイトでは「世界遺産で学ぶ世界の歴史」シリーズを公開しています。
このシリーズは電子書籍『世界遺産で学ぶ世界の歴史』のダイジェスト版なのですが、電子書籍版を完璧に学べばセンター試験の世界史であればかなり得点できるように書いています。
しかし、そのすべてを暗記しても世界遺産検定1級の問題の多くに正解できないでしょう。
やはりそれ用の勉強が不可欠なのです。
さて、そんなぼくですが1級教材の内容についてはおそらく5%も記憶していません。
というか、世界遺産名ですらあやふやです。
それでどうして満点に近い得点が取れるのか?
その答えが「戦略」なのです。
それじゃ仕方ないじゃん――
そんな学習法で認定されても意味ないじゃん――
ちょっと待ってください。
だからこそ最初に断っておきました。
勉強の目的は「勉強の仕方」「歴史の本質」「世界遺産の理念」を学ぶことにこそあるのだと。
次回は世界遺産検定の概要について紹介します。
[関連サイト]
世界遺産検定(公式サイト)