世界遺産NEWS 20/07/20:2020年新登録のユネスコ世界ジオパーク
7月上旬、世界ジオパークネットワーク会議が開催され、UNESCO(ユネスコ=国際連合教育科学文化機関)執行委員会は新たに15件をユネスコ世界ジオパークに認定し、1件の拡大を承認しました。
また、昨年から今年にかけて1件がリストから抹消されています。
これでユネスコ世界ジオパークの総数は44か国161件となっています。
今回はこのニュースをお伝えします。
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簡単にユネスコ世界ジオパークを紹介しておきましょう。
昨年と同じ文章なので不要な方はパスしてください。
本サイトではUNESCO7事業(世界遺産、無形文化遺産、世界の記憶、ユネスコエコパーク、ユネスコ世界ジオパーク、創造都市、ユネスコ世界危機言語アトラス)のリストを公開していますが、「ユネスコ世界ジオパーク」もそのひとつです。
「ジオパーク」は地球や大地を表す "Geo" と公園を示す "Park" と組み合わせて「大地の公園」を意味する造語で、地質学的に重要な地域の保全と地域社会への貢献を目的にスタートした事業です。
ユネスコ世界ジオパークは日本ジオパークやアジア太平洋ジオパークといった地域ジオパーク・ネットワークの上部組織で、2015年に正式にUNESCOの事業となりました。
この事業は保全・教育・観光を3本柱としており、世界遺産のように保全に特化するのではなく、地域や個人の参加を促してより多くの人が関わる活動を目指しています。
類似の活動に「ユネスコエコパーク(生物圏保存地域)」がありますが、こちらは生物多様性や絶滅危惧種に関連した生態系の保全を目的としており、地質にフィーチャーしたジオパークとは異なっています。
ユネスコ世界ジオパークの詳細やリスト、ランキング等は最後にリンクを貼った「UNESCO遺産事業リスト集6.ユネスコ世界ジオパーク・リスト」を参照してください。
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ベトナムの「ダクノンUGG」の絶景
それでは2020年の新登録15件+拡大1件+抹消1件のリストを紹介します。
セルビア、ロシア、ニカラグアにはじめてのユネスコ世界ジオパークが誕生しています。
日本語名はぼくが適当に訳したもので、英語名は公式サイトに記載されている名称をそのまま抜粋しています。
正式には固有の名称の後に "UNESCO Global Geopark"(ユネスコ世界ジオパーク)がつきます。
<2020年新登録のユネスコ世界ジオパーク 15件>
○ブラック・カントリー
Black Country
イギリス
○グラナダ
Granada
スペイン
○マエストラスゴ
Maestrazgo
スペイン
○ジェルダップ
Djerdap
セルビア
○ラウハンヴオリ=ヒーメーンカンガス
Lauhanvuori-Haemeenkangas
フィンランド
○エストレーラ
Estrela
ポルトガル
○ヤンガン=タウ
Yangan-Tau
ロシア
○トバ・カルデラ
Toba Caldera
インドネシア
○漢灘江
Hantangang
韓国
○湘西
Xiangxi
中国
○張掖
Zhangye
中国
○ダクノン
Dak Nong
ベトナム
○ファンディ崖群
Cliffs of Fundy
カナダ
○ディスカバリー
Discovery
カナダ
○ココ川
Rio Coco
ニカラグア
<2020年に拡大・名称変更されたユネスコ世界ジオパーク 1件>
○クラ=サリフリ
Kula-Salihli
トルコ
※元の名称は「クラ火山」
<抹消されたユネスコ世界ジオパーク 1件>
○Parco Geominerario della Sardegna
サルデーニャ地質公園
イタリア
[関連記事]
※リンク先にさらに以前の過去記事にリンクあり
UNESCO Global Geoparks(UNESCO)
UNESCO遺産事業リスト集6.ユネスコ世界ジオパーク・リスト
世界遺産NEWS 19/04/27:2019年新登録のユネスコ世界ジオパーク(前年)
世界遺産NEWS 21/08/03:2021年新登録のユネスコ世界ジオパーク(翌年)