世界遺産写真館18.アントニ・ガウディの作品群1(スペイン)
これまで約100か国を訪ね、その数倍の都市を訪れました。
よく「もっともよかった国は?」とか「好きな都市は?」なんて尋ねられるのですが、たいていぼくは「いろんなよさがあるからなぁ」とか「長くいるとそこが好きになっちゃうよ」などとはぐらかしてしまいます。
実際にぼくは世界のどこに住むことになっても構わないと思っているくらいですから。
それでも「そこをあえて」「どうしてもひとつ挙げないといけないとしたら?」などとしつこく質問されたときは、「好きな都市」にはバルセロナを挙げることが多いかもしれません。
訪ねる以前、芸術、特に絵画が好きなぼくにとってバルセロナはピカソやミロの街でした。
でも、バルセロナ入りした初日にアントニ・ガウディのカサ・パトリョを見て衝撃を受けました。
ガウディに対する印象が大きく変化したのみならず、建築や家具に対する概念が塗り替えられてしまいました。
その後、サグラダ・ファミリアでさらなる衝撃を受け、コロニア・グエル教会に深く魅了されました。
結局、カサ・パトリョとサグラダ・ファミリアは2度も訪ねてしまいましたから。
そしてバルセロナの町全体が、カサ・パトリョやサグラダ・ファミリアと同様にアートややさしさや遊び心に溢れていることに気がつきました。
建築だけではありません。
一例が「食」です。
バルセロナで食べた料理はいずれも美味しいだけではなく、美しく香り高く食べやすく、いただく人との触れ合いを考え尽くしたものでした。
それまでぼくはひたすらアートを、人間の感覚を究極まで追究した作品を愛してきました。
ですから作品に意味性が入ることをあまり好みませんし、意味性をなるべく排除した芸術、絵なら具象画より抽象画の方が好きだったりします。
でも、ガウディはアートそのものよりもむしろ意味を、アートを通じた交流を重視しました。
この点に深く感銘を受けました。
みなさんの中にもガウディの作品を写真で見て「奇抜」とか「派手」などと感じた方がいるかもしれません。
そんな方にこそ現場に行っていただきたい!
むしろガウディはその対極にいたことが理解できると思います。
そのほんの一端でも写真から感じ取ってもらえるとありがたいのですが……。
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さて、今回と次回の2回にわたってスペインの世界遺産「アントニ・ガウディの作品群」の写真を掲載します。
本件の構成資産は以下となっています。
■「アントニ・ガウディ(アントニオ・ガウディ)の作品群」構成資産
- グエル公園
- グエル邸
- カサ・ミラ
- カサ・ビセンス
- カサ・バトリョ
- サグラダ・ファミリア(聖誕のファサードと地下礼拝堂)
- コロニア・グエル教会(地下礼拝堂)
今回はサグラダ・ファミリアを中心に載せますが、こちらは聖誕のファサードと地下礼拝堂のみが世界遺産で、未完成である他の部分は資産(登録範囲。プロパティ)となってはおりません。
でも、バッファーゾーン(緩衝地帯)には含まれていますし、完成後に世界遺産化する可能性もあるということで、こちらの写真も掲載していきます。
■世界遺産データ
アントニ・ガウディの作品群
Works of Antoni Gaudi
スペイン
1984年、2005年、文化遺産(i)(ii)(iv)
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[著作権について]
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