世界遺産写真館6.コトルの自然と文化-歴史地域(モンテネグロ)
世界遺産写真館の第6回はモンテネグロの世界遺産「コトルの自然と文化-歴史地域」です。
こちら、まだそれほど有名ではないかもしれませんが、今後ブレイクするのではないかと考えている世界遺産のひとつです。
といっても多くの人は「モンテネグロってどこ?」という感覚ではないでしょうか?
この国、紀元前の時代から本当に複雑な歴史をたどっています。
ほんの二十数年前、1990年代からの歴史を振り返っても、1991年まではユーゴスラビアで、2003年にセルビア=モンテネグロになり、2006年にようやくモンテネグロ共和国として独立しました。
独立からまだ10年ちょっとしか経っていないのですね。
旧ユーゴスラビア諸国の中でいち早く独立して経済的にも飛躍したのがクロアチアです。
いまや「アドリア海の真珠」ドゥブロヴニクやプリトヴィツェ湖群などは世界で最人気の世界遺産のひとつになり、南欧あるいは中欧随一の観光地に成長しました。
一方、モンテネグロの発展は遅れ、2010年代になるまで観光はあまり一般的ではありませんでした。
でも、モンテネグロはクロアチアの海岸とつながっていてその美しさは勝るとも劣りません。
今回のコトルの写真を見ていただければ一目瞭然、ドゥブロヴニクにけっして負けていないはずです。
しかも。
コトルとドゥブロヴニクは直線距離でわずか60kmほど。
コトルの近郊にはブドヴァなどの美しい港町もありますし、「ドゥルミトル国立公園」という驚異的な自然を誇る世界遺産も日帰り圏内です。
さらに、ドゥブロヴニクからはボスニア・ヘルツェゴビナの世界遺産であるモスタルも遠くないし、アドリア海沿岸を北上すればスタリー・グラード(フヴァル島)、スプリット、トロギール、シベニクと、世界遺産が次々と現れます。
見所盛りだくさんなんですよね。
というわけで、今後クロアチア+モンテネグロ(+ボスニア・ヘルツェゴビナ)なんていうアドリア海を中心とした旅行が人気を博すようになるのではないかと睨んでいるわけです。
個人的にもオススメです!
■世界遺産データ
コトルの自然と文化-歴史地域
Natural and Culturo-Historical Region of Kotor
国名:モンテネグロ
登録年と登録基準:1979年、2012年、2015年、文化遺産(i)(ii)(iii)(iv)
上の世界遺産はコトル湾を広く登録したものですが、実はコトルの城壁地区は下の世界遺産にも登録されています。
二重に登録されていることになりますね。
■世界遺産データ
16-17世紀ヴェネツィア共和国の軍事防衛施設群:スタート・ダ・テッラ-西部スタート・ダ・マーレ
Venetian Works of Defence between the 16th and 17th Centuries: Stato da Terra – Western Stato da Mar
国名:イタリア/クロアチア/モンテネグロ
登録年と登録基準:2017年、文化遺産(iii)(iv)
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