私的旅行術 準備編5:宿泊施設の種類と予約の仕方
海外旅行ではホテルやゲストハウスといった宿泊施設に泊まることになります。
今回は宿泊施設や部屋の種類、ネットを利用した予約の取り方、予約がない場合のホテルの探し方などを紹介します。
○本記事の章立て
- 宿泊施設の種類
- 部屋の種類
- 予約がない場合のホテルの探し方
- ネットを利用したホテルの予約の仕方
- 予約サイト VS ホテルへの直接交渉、どちらがお得?
- 割引サービスを利用しよう!
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■宿泊施設の種類
世界にはさまざまな宿泊施設がありますが、おおよそ以下のような種類に分類されます。
ただ、定義が統一されているわけではありませんから、境界は非常にあいまいです。
宿泊施設の正確な情報が必要な人は、口コミサイトや公式サイトをチェックしましょう。
○形態や所有者による区分
- ホテル
もっとも一般的な宿泊施設。日本でいうシティホテル(観光ホテル)やビジネスホテルから北米のモーテル(モータリスト・ホテル。もともと自動車旅行者のための簡易宿所)まで形態は多彩
- ゲストハウス
もともとは賓客(ゲスト)をもてなすための宿泊施設。迎賓館を示すこともあるが、一般的にはホテルより安価な簡易宿所で、ドミトリー(相部屋)を備えていることも多い。似たような形態の宿泊施設にバックパッカーズがある。
- ホステル
もともとは個人のホスト(主人)が経営する宿泊施設。内容はゲストハウスとほぼ同様であることが多いが、なかにはホテル以上のクオリティを誇るものもある
- ペンション
「年金」の意味で、退職後の夫婦が空き部屋に旅行者を泊めたことに由来する。個人経営のミニ・ホテルを示すことが多く、クオリティはピンキリ
- ユースホステル
国際ユースホステル連盟等が運営する安価な宿泊施設。青少年向けに企画された施設だが、年齢制限がないため中高年の利用も少なくない。部屋は基本的にドミトリー
- B&B
ベッド&ブレックファストの頭文字で、朝食と宿泊を提供する小規模な宿泊施設。もともとは自宅の一室を提供するものだが、ホテルやゲストハウスと変わらないものもある
- 民泊、ホームステイ
一般家庭に宿泊すること。これまでそれほどメジャーな手段ではなかったが、Airbnb(エアビーアンドビー)をはじめとする民泊サイトの登場で普及しつつある。また、ホテルやホステル・ゲストハウスと称しつつ、宿には看板もなく、実質的に民泊であることもある
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■部屋の種類
シングル、ダブル、トリプルといった区分は日本とほぼ同じですが、基本的にベッドの数ではなくて宿泊する人の数を示しています。
たとえばトリプルといった場合、ベッドが3台という意味ではなく、三人部屋になるので注意が必要です。
○部屋の種類
- ドミトリー
相部屋。ひとつの部屋に多数のベッドが設置されており、そのうちのひとつを借りる形になる。男性部屋・女性部屋で別れてることもある。トイレやシャワー室などは共同
- シングル
ひとり部屋。シングルベッドがひとつ置かれている。ビジネスホテル以外ではあまり見かけない
- ダブル
ふたり部屋。ダブルベッドがひとつ、あるいはシングルベッドがふたつ置かれていることが多い。海外ではツインという概念が一般的ではないため、日本でいうツインを示すことがある
- ツイン
シングルベッドが対(つい。ツイン)になっているふたり部屋。"twin bedded" あるいは "twin beds" とあった場合はふたつのベッドが備わっている
- トリプル、クアッド
トリプルは三人部屋、クアッド(クオーター)は四人部屋。大人ふたり+子供を想定していることが多く、キングサイズのベッド1台、またはダブルベッド×2台、あるいはダブルベッド+簡易ベッドであることも。ベッドの質と数は要確認
- スタジオ(ステューディオ)
ワンルームにキッチン、あるいはソファーベッドが付いた部屋
- スイート
スペルは "suite" で「ひと揃い」の意味。"sweet"(甘い)ではない。本来は居間(リビングルーム)付きの部屋を示すが、最高級の部屋を意味することが多い
- バンガロー/コテージ/ヴィラ
それぞれ本来の意味があるが、一般的には部屋が一軒家のように独立しているものを示す
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■予約がない場合のホテルの探し方
気ままな旅を愛する人は、ホテルを予約せずに旅することもあると思います。
そのような場合、ぼくは以下のような方法でホテルを探しています。
○ホテルの探し方
- 事前にチェックしておいたホテルやホテル街を探す
ネットやガイドブックで有望なホテルやホテル街を探しておいて、その周辺で空き部屋を探す
- ツーリスト・インフォメーションで尋ねる
空港や駅・観光地等にあるツーリスト・インフォメーションではホテルの斡旋をしていることが多い。「i」マークが目印
- 旅行代理店で尋ねる
地元の旅行代理店はホテルとつながりがあるので、仲介・紹介してくれることが多い
- タクシーの運転手に尋ねる
宿泊施設に対する豊富な知識を持っているので、予算に応じて紹介してくれる
- 客引きについていく
ホテル専属の客引きと、複数のホテルを仲介する客引きがいる。多くの場合、マージンはホテルが支払うので旅行者の負担にはなることは少ない
- 警察官に尋ねる
本当に困ったら警察に頼ることになる。ホテルや旅行代理店を紹介するなど、なんらかの解決策を提示してくれることが多い
○まったくあてがない場合の対処法
- 駅やバス・ターミナルの周辺を探す
街のメインとなる駅や長距離バス・ターミナルの周辺にはたいていホテルがある。そして駅やターミナルから離れれば離れるほど、裏に入れば入るほど値段が落ちる傾向がある。夜行電車や夜行バスで発ってしまうというのもひとつの手
- 旧市街の大聖堂や中央広場の周辺を探す
欧米や旧植民地の都市の旧市街の中心には大聖堂や中央広場があって、周囲にホテル街があることが多い。中央広場は地方によって名前が違うが、セントラル・パーク、セントロ、ソカロ、プラザ・デ・アルマス、マルクトなどと呼ばれている
- 住人や旅行者に尋ねる
その場所に暮らしている人に近場のホテルを教えてもらう。あるいは外国人旅行者にガイドブックを見せてもらったり、滞在先を教えてもらってもよい
- インターネットに接続して検索する
Wi-Fiやインターネット・カフェ等を利用してネットに接続して検索を行う
タクシーの運転手や客引きを利用する場合、マージンがもらえるホテルを優先したり、ツアーや夜のお誘いにしつこく誘われることもあるので、特に一人旅の女性は注意した方がよいかもしれません。
ぼくは3年近い世界一周の旅を経験していますが、このときはほとんどホテルを予約せずに旅しました。
リオのカーニバルやミレニアムのゴア、F1と音楽祭開催中のブダペストなど「ホテルはいっぱいでまず泊まれない」と言われたこともありましたが、野宿を強いられたことはほとんどありません。
上の方法でほとんどなんとかなるはずです。
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■ネットを利用したホテルの予約の仕方
海外の宿泊施設は旅行代理店の店舗等でも予約が行えます。
その場合はいろいろ尋ねてしまえばよいので、ここではネットを使った予約方法を紹介します。
ホテルの予約ができるサイトには以下のようなものがあります。
○宿泊施設の予約ができるサイトの例
- 航空会社の公式サイト
- 旅行代理店の公式サイト
- 航空券販売サイト
- ホテル予約サイト
- ホテルの公式サイト
- 民泊サイト
航空会社や旅行代理店、航空券販売サイトなら航空券+ホテルで予約できたりします。
同時に予約したい方はこちらがオススメです。
ぼくは普段、航空券とホテルを別々で予約しています。
いつもの予約手順を紹介しましょう。
各サイトにバナーやリンクを張っているので試してみてください。
1.ホテル予約サイトで希望の場所・ランクのホテルを検索する
Booking.com(ブッキングドットコム)やExpedia(エクスペディア)、Agoda.com(アゴダ)、Trip.com(トリップドットコム)等の予約サイトを使ってホテルを検索します(下にリンクを張りました)。大都市や有名な観光地でない場合、英語名で検索するとよりたくさん表示されることがあります。
値段や地図を見ることで相場やホテル街の位置を把握することができます。目的地の近くというだけでなく、空港からのシャトルバスや地下鉄の路線上、到着する駅の近くなど、事情に合わせて探します。検索する日時によって値段が変化するので、最安値を目指す人は何度も検索してみるとよいでしょう。
2.気になったホテルの口コミをチェックする
1で気になったホテルをTripAdvisor(トリップアドバイザー)や4travel(フォートラベル)等の口コミサイトで再検索して評価・評判を調べます。いずれも各予約サイトでの値段が表示されるので、最安値を知ることもできます(実際は結果が少し違っていたりしますが)。逆に、先に口コミサイトでホテルを探してもよいでしょう。
3.公式サイトでホテルと値段をチェックする
ホテルを絞ったらそのホテルの公式サイトやFacebookを検索してアクセスし、ホテルの概要を調べて値段をチェックします。予約サイトとどちらがお得か比較したのち、予約を行います。
4.予約したのち再度ホテル&値段をチェック
ホテルや時期によってはキャンセル料が無料になることがあります。検索する日時によっても値段は変わるので、とりあえずキャンセル料無料のホテルを予約しておいて、さらによいホテル・安い時期を狙って再検索する方法もあります。
そして予約を行うまでに以下を確認しておきましょう。
- 外観・内観・窓やエアコンの有無・ベッドの質や数・設備・値段
- サービスの内容(朝食やアメニティ等の内容・有無)
- セキュリティの内容
- オーシャンビューやシティービュー等の景観
- ホテルまでのアクセス、送迎の有無
- チェックイン、チェックアウト、ロックアウト(締め出し時間)等の時間
- 口コミの評価・評判
- キャンセル・ポリシー(有料・無料キャンセル期間とキャンセル料)
- 英語と現地語のホテル名(たとえば中国語なら漢字名等)
人気のホテルでキャンセル料無料であれば、とりあえずホテルを押さえてしまうというのもひとつの手です。
日程が変わったり、よりよいホテルを見つけたらキャンセルして予約を取り直せばOKです。
この場合、いつまで無料キャンセルできるのか確認し、忘れないようにしましょう。
下にバナーやリンクを貼っておきます。
ぼくがよく使うのはBooking.com、Expedia、Agoda.com辺りです。
長期で借りる場合はAirbnbで割引オファーをしていることが多く、お得です(民家を貸し出している場合もあるのでその辺りの事情には注意が必要です)。
- Booking.com
- Expedia
- Agoda.com
- Trip.com
- Airbnb(招待付き)
- 4travel(ホテル予約サイトを一括比較)
- ホテルズコンバインド(ホテル予約サイトを一括比較)
- Hotels.com
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■予約サイト VS ホテルへの直接交渉、どちらがお得?
予約を取る際にホテル予約サイトとホテルの公式サイト、どちらを利用したらよりお得なのでしょうか?
あるいはホテルを直接訪ねたりTELして予約した方がよいのでしょうか?
基本的に、ホテル予約サイトを利用するよりも直接ホテルと交渉した方が安くあがります。
というのは、ホテルはそうしたサイトにマージン(聞いたところによると10~15%前後)を支払っているため。
ですからホテルの連絡先がわかったら、直接交渉してみるとよいでしょう。
ただし、ホテルによってはネット価格を非常に安く設定していることもよくあります。
ぼくの経験ですが、フロントに申し込むよりAgoda.comで予約を取った方が40%以上安くなったことがありました。
ですから延泊するのにわざわざ部屋からAgoda.comにアクセスして新たに予約を取りました。
逆に、直接交渉したら30%ほど安くなったこともあります。
この辺り、ホテルや時期等にもよるので最安値にこだわる人はいろいろな方法を試してみてください。
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■割引サービスを利用しよう!
ホテル予約サイトで予約をする際は、航空会社やクレジットカード会社、ポイントサイトから飛ぶと数%分のマイルやポイントが得られてお得です。
たとえばANAやJALの公式サイトからAgoda.comやExpediaに飛んで予約&宿泊すると、200円あたり1マイルが加算されます。
ポイントサイトであるハピタス(Happi+)からAgoda.comやExpediaに飛んだ場合は2.0~4.2%が還元されます(条件は随時変化します)。
4travel(フォートラベル)経由でホテルを予約した場合は、条件次第でポイントがゲットできることもあったりします。
ただ、こうしたサイトを経由することで表示される最初の値段が上がったり、ホテルによっては表示されなくなることもあります。
サイトを経由させた場合とさせない場合で比べてみるとよいでしょう。
そうしたサイトの会員ならログインして目的のサイトを探してリンク先に飛ぶだけで、特別な手続きは必要ありません。
ただ、細かな利用条件等はありますので、最初に利用するときに条件をザッと確認しておくとよいでしょう。
■航空会社