音楽&ダンス1:聴かない音楽
世界に音楽やダンスを持たない民族は存在しない。
ジャンベやダルブッカと呼ばれる太鼓によるミニマルな演奏を延々と聴いていると、自分がなくなるほど引き込まれる瞬間がある。
そのピークでは、自分と他者との境界が消える。
自と他、個人と全体、アートマンとブラフマンの合一。
梵我一如、すなわちニルヴァーナ。
『エヴァンゲリオン』的に言うならばATフィールドの解消、すなわち人類補完。
イスラム神秘主義教団スーフィーによるスーフィー・ダンス。 回転を繰り返してトランスに達する
だからいずれの民族・文化においても音楽は宗教と深い関わりがあった。
音楽や踊りは霊魂を先導するシャーマンによって誘われるものだった。
シャーマンが人々をトランス状態に導くように、DJが観客を恍惚に導く。
民族音楽以上に恍惚を追究したプリミティブでミニマルな音楽。
それがトランスと呼ばれる音楽だ(↓の1分以降)。
Infected Mushroom - Gamma Goblins
トランスは4つ打ちと言われる単純なビートをただひたすら繰り返す。
メロディーやビートの変化ももちろんあるが、基本は4つ打ち。
ひたすらこの単調なリズムに身を任せていると、やがて細胞が共鳴して、身体が音楽になる。
身体の境が壊れて、世界が波になってつながる。
ただ波に揺られ、響くだけ。
だから。
トランスは聴かない。
トランスは共鳴。
というか。
もともと音楽は聴くものじゃない。
揺られるもの。
というか。
もともとアートは自己を他者に委ねる行為。
そうした端的な例が民族音楽であり、トランスであり、現代音楽だ。
スティーブ・ライヒらのミニマルなんてそれそのもの。
Steve Reich - Piano Phase
聴くことが目的でないのであればただただ身体を音に委ねればいい。
ダンスだ。
だからぼくにとってダンスというのはアート。
宗教行為の一種。
なんか神聖なもの。
大好きだよ。
ダンス。
* * *
INFECTED MUSHROOMを踊りにZEPPに行った。
スゲー。
結局夜10時から朝6時まで、一度も休まず、一度も座らずで踊り通してしまった。
感情的な音楽もいいけれど、こうした音楽も好きだ。
また踊りに行こうっと。
<関連サイト>
INFECTED MUSHROOM(公式サイト)