久しぶりに上海を訪ねましたが、やっぱり中国は料理が本当においしいなと再確認しました。
たとえば↓。
ただの屋台料理なんですけどね、これに感心してしまったわけです。
この屋台料理、看板には「正宗鉄板香豆腐」とありました。
臭豆腐を豆板醤や各種スパイスで味付け&香りづけして焼いたものなんですが、感心したのは付け合わせのポテトの方です。
そう、フライドポテトです。
15世紀以降の大航海時代にジャガイモはアメリカ大陸からヨーロッパ、アフリカ、アジアに広がり、フライドポテトはいまや世界中で食される世界一メジャーな屋台料理になりました。
実際ぼくはアジア、ヨーロッパ、アフリカ、中南米の屋台でフライドポテトを食べています。
気軽に食べることができるので結構注文しましたが、でもあまりおいしいと思ったことはありません。
ファストフード店のフライドポテトもあまり好きではありませんし、他になければ注文する程度のものでした。
ところがね。
上海で出合ったこの屋台のフライドポテト、これまででいちばんおいしかったです。
何よりその揚げ方がね、抜群でした。
さすが中国!
野菜に火を入れさせたら中華料理は世界一なのではないでしょうか。
中華の一流店に行くと炒め料理の火の入れ方にいつも感動します。
一般的に、炒め物は「野菜をしんなりさせるもの」というイメージがありますが、まったく違います。
野菜を上手に炒めると生野菜よりも生々しく、ジューシーかつシャキシャキさせることができます。
「これ、火が入ってるの?」と思われるのような生き生きとした野菜なのに、しっかりレアで火が通っている。
これが中華の炒め物です。
油通しと超高温での一瞬の炒め技がこれを可能にするのでしょう。
火の入れ方にこれだけ気をつかう中華料理ですから、フライドポテトの火加減も当然考え尽くされているというもの。
野菜特有のシャキシャキ感や瑞々しさは残しつつ、火を通すことで旨味成分を活性化してホクホク感を出し、表面を少々焦がして香ばしさとスパイスの香りを引き立てる。
ただの屋台料理でもここまでやってくれると本当にうれしくなってきます。
いや、単純な料理なんですけどね。
今回ラオス、ベトナムを訪ねましたが、屋台料理は健在でした。
特に田舎の屋台料理はやはりうまい!
そりゃそうでしょう、野菜は有機、ニワトリは地鶏、ウシやブタも元気に放し飼い、出汁は自分でとるのが当たり前ですから。
でも、屋台料理も西洋化と同時にどんどんマズくなるものなんですよね。
屋台も次第に大量生産の食材を使うようになり、調味料を使いまくってファストフード化していくと。
そしてよい食材は都市の一流店へ流れて庶民の口にも入らなくなる。
これが現実です。
中国の屋台料理もどんどんマズくなっているとぼくは思います。
経済的に仕方のないことかもしれませんが、彼らのこだわりがなるべく変わらないことを願います。
[関連記事]