昔の写真が出てきたのでなんとなく載せてみよっと。
ネパールのソウラハって街でのひとこまなんですが、ここ、本当に楽しかったなー。
先頭に座ってるのがゾウ使いのオッチャン。
何日か滞在しているうちに顔馴染みになって、「ゾウ洗いに行くけど来る?」と声を掛けられて同行しました。
ぼくの前に座っているのはこの頃一緒にツルんでたカナダ人。
これがまたヘビーな旅人で、数年後にアンダマン諸島の孤島で村人と一緒に魚を獲って暮らしてるとかってメールが来ました。
元気にやってるんだろうか?
洗う前にまず水浴びなんですが、ゾウがはしゃいじゃって立ったり座ったり踊ったり大騒ぎ。
とても背中に乗っていられなくてあっちこっちにぶっ飛ばされます。
もちろん飛ばされたらすぐゾウによじ登ってロデオに再挑戦。
これがもうおもしろいのなんのって。
自分が落ちた場所のすぐ横にゾウが落ちてきたりして危ないんですけどね。
いいんですよ、野生なんですから。
そう、野生なんです。
この川のこちら側が人口数百人のソウラハの村。
向こう側はジャングルで、世界遺産「ロイヤル・チトワン国立公園」なんです。
この川にもワニやサイがいますし、対岸のジャングルにはトラやクマだって出ます。
ソウラハでは早朝の散歩はとても危険なんですが、なぜってサイが出るから。
ぼくの泊まっていたホテルの庭にも早朝に何度かサイが出て、部屋に戻れと怒られました。
こういう経験、アフリカでも何度かしたんですが、みなゾウ、カバ、サイを本当に恐れています。
ソウラハ村のネイチャー・ガイドはみなお腹とか足とかに深い切り傷があるんですが、サイにやられたとかいっていました。
草食動物って近くに動物がいると取りあえず突っ込んでいって追っ払うか、動かなくなるまで踏み潰すんだそうです。
こんな野生な場所なので、村最大のアトラクションは動物サファリ。
ゾウに乗って湿地を行くエレファント・サファリや船に乗ってサイやワニを見るリバー・クルーズも楽しいのですが、ハイライトはなんといってもジャングルを歩くウォーキング・サファリです。
これが恐ろしいのなんのって。
サファリのメインは野鳥やサルなんですが、いつサイやトラやクマと出くわすかわかりません。
しかもガイドは丸腰。
一応サファリに出る前にトラから逃げる方法を教わりましたが、そんなものが役に立つとは到底思えません。
それらの動物を見たいのは山々ですが、突然目の前に現れたら命の保証はない。
危険地帯を歩くときは全員息を潜めて恐ろしいくらいの緊張感で歩を進めていました。
そんなとき……
「グルルルルルルッッ」
ガイドは全員を手で制止して、「ゆっくり逃げるぞ」と後じさり。
あとで聞いたらトラのうなり声だって話でした。
あのクレイジーなツアー、まだやってるのかな?
あの村では、人々は野生とともに生き、やがて死して野生に返ります。
でも、ぼくらも同じなんですよね。
この東京だって野生です。
突然サイに襲われて死ぬ村人がいるように、ある日交通事故で亡くなる人がいる。
たいした違いはありません。
生きるってなんなのか?
村人や動物たちは多くのことを教えてくれました。