海外、特に途上国を旅していると「円安になったもんだなー」とつくづく感じます。
昨年もアジアの数か国を旅しましたが、10年前と比べて物価がずいぶん上がっていました。
昨年までの円高も、結局ドル安なんだろうと思います。
途上国の通貨に対しては多くの場合、時間が経つほど円安に振れるもの。
それらの国々が発展して通貨が強くなると、相対的に円が安くなるという構造です。
バックパッカーなんてさぞ旅がし辛くなっただろうなー。
加えていまの円安です。
この円安は実質的な増税です。
円安というのは物に対して、あるいは他の通貨に対して円の価値が下がるということ。
持っているお金、たとえば貯金とか年金とかそういった現金の価値が減っているということです。
価値を吸い上げているということです。
では、その価値はどこに行ったのか?
資本家・投資家は円の現金よりも土地とか外貨とか株とか別の形で価値を保存しています。
円が下がった分、それらの物価は上がるのでマイナスはありません(個別銘柄の価格変動はありますけれど)。
それどころか積極的に投資を行って成功すれば価値を増やすことも可能です。
その際生まれる利益、価値。
つまり、みんなの貯金から価値を吸い上げて、資本家や投資家の利益に価値を移行しているわけです。
決算で大黒字とかいっていますが、あれ、みなさんの貯金が形を変えたものでもあるのです。
もちろん、これが悪いとはいいません。
形的には税として価値を集めて投資に向ける財政政策と変わりません。
日本の貯金額は世界一ですし、眠っているお金も回ります。
金は天下の回りもの。
これで景気が上がるならよいのでしょう。
でも。
結局ババ抜きなんですよね。
金融市場の実際が知りたくて、数年前にFX口座を作って10万円を振り込み、「なくなったら終わり」と思って取り引きをしたことがあります。
銀行とか金融市場とか、知れば知るほどその奥の深さに驚愕します。
FRB(連邦準備制度理事会)なんか調べると本当、怖くなりますよ。
株やFXは危険だとか逆にもうかるとかいわれます。
でも実は銀行も信用金庫もやってることはそんなに変わりません。
それを理解して利用できる人が「賢い」のでしょうね。
ぼくはダメでした。
いやね、結局10万円は数倍に増えました。
でも、ただの偶然です。
付き合ってらんないわ――そう思って退場しました。
というか、資本主義社会から退場したっていいくらいです。
とにもかくにも円安です。
いや……歴史的に見ればまだまだ円高なんですが……いやいや、状況が異なる過去と比べても意味がないわけで……
とにかく、いま学べることは多いです。
でも学ばないこともまたひとつの選択です。